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コラム
Volume
17

最大50万円!小規模事業者持続化補助金とは?

小規模事業者の販路開拓などの取り組みに対する、補助金をご存知ですか?
認知や集客のためのPR、ネットショップでの新規顧客の開拓など、販路拡大にはなかなか予算がまわらないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。そのような場合におすすめしたいのが、この補助金制度です。意外と知らない方も多いようですので、ご紹介します。

小規模事業者持続化補助金とは

「小規模事業者持続化補助金」とは、小規模事業者等が持続的な経営のための販路開拓等の取り組みに対し、補助率3分の2、最大50万円を上限に国からの補助が受けられる、返済不要の補助金制度です。
例えば、ネットショップ制作、ホームページ制作、商品やサービスのパンフレット、チラシなど、宣伝広告やブランド力の強化も対象です。

  • 75万円以上の補助対象となる事業費に対し、50万円を補助
  • 75万円未満の場合は、その3分の2を補助

少しばかり感覚が麻痺してしまいそうな補助率です。予算の都合で諦めかけていたホームページ制作なども、66%を補助金で賄い、25万円でできるとしたら、凄いことではないでしょうか(※75万円の場合)。

なお、申請は商工会の助言(サポート)を受けながら、定型の「経営計画書」を作成し、商工会に用意してもらう「支援計画書」とともに郵送または電子申請(Jグランツ)で行ないます。

少し面倒と思われるかもしれませんが、他の補助金と比較して採択率が高いと言われています。特に最近は採択率が高くなっており、2018年度(平成30年度)は約70%、2019年度(令和元年度)は約90%と、かなりハードルは低いようです。

※申請内容などにより、提出書類が異なる場合がありますので、詳しくは公募要領をご確認ください。

補助金の対象者

それでは、具体的にどのような事業所が対象になるのでしょうか。

従業員数

常時使用する従業員数が20人以下の事業所(個人事業主を含む)が基本ですが、従業員数は業種により異なりますので、下表をご参考ください。

業種 人数
商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数 20人以下

なお、1つ注意点があり、「常時使用する従業員数」には以下の人は含まれません。「うちは無理だ」と思う前に、しっかり確認してみましょう。

  • 会社役員(※従業員との兼務役員は含まれる)
  • 個人事業主本人および同居の親族従業員
  • 育児や傷病休業など休職中の社員
  • 期間を定めて雇用されるパートタイム労働者など
  • 通常の従業員の所定労働時間に比べて短い者

対象者の範囲

あくまで「商工業者」を対象としたものですので、医師、医療法人、一般社団法人、社会福祉法人、系統出荷による収入のみの個人農業者などは補助対象にはなりません。補助対象の範囲は、以下のように定義されています。

  • 会社および会社に準ずる営利法人
    (株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合)
  • 個人事業主(商工業者であること)
  • 一定の要件を満たした特定非営利活動法人

商工会議所・商工会の会員・非会員を問わず、応募可能です
ただし、商工会議所の助言、指導、融資斡旋などの支援を受けながら事業を実施する必要があります。

何度でも申請できる!

この補助金がさらに凄いのは、毎年申請することも可能だということです。受付締切日の前の10ヵ月以内に、先行する受付締切回で採択・交付されていなければ問題ないとのことです。過去の補助事業と比較して明確に異なる内容であれば、次年度に再度申請してまた新たに補助を受けることができます。

今年度は古くなったホームページのリニューアルで商品やサービスの認知を図り、次年度はオンラインショップを構築して新しい販売チャネルを作る、といったように優先順位を決めて申請を検討されてもよいかもしれません。

審査の観点は?

審査では、経営計画書に基づき以下のような加点審査により、総合的な評価が高いものから順に採択が行われます。

自社の経営状況分析の妥当性
◇自社の製品・サービスや自社の強みを適切に把握しているか。

経営方針・目標と今後のプランの適切性
◇経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
◇経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。

補助事業計画の有効性
◇補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。
◇地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。
(共同申請の場合:補助事業計画が、全ての共同事業者における、それぞれの経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要か。)
◇補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
◇補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みが見られるか。

積算の透明・適切性
◇事業費の計上・積算が正確・明確で、事業実施に必要なものとなっているか。

令和元年度 公募要領より引用

このように、事業を行なっていく上である意味当たり前の項目が並んでいます。
商工会議所のサポートを受けながら、自社の強みを踏まえて計画書をしっかり作れば採択基準はクリアできるのではないでしょうか。

まとめ

小規模事業者持続化補助金の基本的な仕組み自体はあまり変わることはないようですが、申請を検討される場合は最新の公募要領で詳細をご確認ください。

特に、公募(締切)は年に数回あるのが恒例ですが、日程は年によりかなり異なりますので、早め早めに持続化補助金のホームページを確認するなど、タイミングを逃さないようにご注意ください。また、先に述べた「事業支援計画書」は発行までに一定の日数がかかりますので、締切までに1週間以上の余裕をみておきましょう。
なお、申請書類の提出(締切)から結果通知までには1~2ヵ月程度かかります。

せっかくこのような制度があるのですから、小規模事業者にとっては資金面で少し敷居が高い(かもしれない)販路拡大や顧客開拓に挑戦されてみてはいかがでしょうか。

最新の情報は以下よりご確認ください。