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思うほど安くない格安ホームページ制作
格安ホームページ制作会社の安さを強調したキャッチコピーにココロ動かされる方も少なくないと思います。なぜ安いのか、格安でどのように事業を持続しているか、考えてみたことはあるでしょうか。
初期費用5万円、月額利用料○千円。こういった格安ホームページ制作業者があふれています。ホームページ制作会社を検索しても、このような制作会社の広告が検索結果画面に埋め尽くされるほど表示されます。
格安制作会社は本当に安いのか、そのカラクリやリスクを検証します。
なぜ格安ホームページ制作会社が成り立つのか
さて、格安のホームページ制作会社は、なぜ人件費さえ出ないような価格でホームページが作れるのでしょうか?検討されている方は、特にこの点をよく考えてみてください。
いくらありもののテンプレートに流し込むだけだとしても、初期費用3万円や5万円ではどう見積っても赤字です。中には初期費用0円を謳っているところもあります。それでは制作費はおろか、広告宣伝費や営業経費さえ回収できません。
そのカラクリは、月額いくら、という形の「保守契約」です。例えば、以下のような具合です。
初期費用7万円 + 保守費月額1万円(年契約)
つまり、はじめの1年間で 70,000円 +(10,000円 × 12ヵ月)=190,000円 の費用が発生するということです。確かに高くはないですが、ホームページで謳われている内容からイメージするほど安くはないと感じられるのではないでしょうか。サービスによっては2年、3年、中には5年のリース契約といった場合もありますので注意が必要です。
本当は安くない?
グラフにして比較してみると、どういうことかがよくわかります。以下のグラフは、初期費用の安い格安ホームページ制作サービス2社と、当事務所(シンカーデザイン)の費用比較をしたものです。
共通:ページ数5ページ・スマホ対応、改修等は別途費用、価格は税別
A社:制作費用0円、月額2万円、契約期間最低3年(途中解約は要解約手数料)
B社:制作費用7万円、月額1万円(一括年払)、1年契約(途中解約払い戻しなし)
上の条件はほんの一例ですし、どのようなデザインや仕様を想定するかにもよるとは思いますが、格安を謳うA社・B社ともに1~2年を過ぎた辺りで通常の方法でのホームページ制作(当事務所)とコストが逆転します。もう少し上のプランにして月額3万円、5万円になってくるともっと前倒しになってしまいます。
大手企業のように潤沢な広告宣伝費を確保できる場合は別ですが、多くの場合、3~5年程度はリニューアルなしに運用するのが現実だと思いますので、そう考えた場合に何を選択するかは明白といえるのではないでしょうか。
解約ができないって本当?
もしかすると、契約内容によっては所定の解約手数料を支払うことなどにより、解約できる可能性があります。
しかし、基本的に途中解約はできないと思っておいた方がよいでしょう。制作会社が役務を果たせていない場合や詐欺などの理由が必要です。誤解されている方もいるようですが、事業者間の取引には原則としてクーリング・オフも適用されません(個人事業を含む)。
残念なことに、解約できないものかと困っている方がたくさんいらっしゃいます。「ホームページ リース 解約」といったキーワードで検索してみてください。
相談内容は、多くの場合「月○万円を○年でリース契約したのですが、解約できますか?」といった内容です。甘い言葉に踊らされて契約してしい、冷静になってから事の重大さに気づくものと推察されますが、契約を交わしてからではもう遅いのです。
お金の使い方は慎重に
ホームページでは月額1万円など安いものを見せておいて、実際に相談してみると、相場感がわからないのをいいことに、「月額3万円のコースがおすすめですよ」といったようにセールストークされることもあるようです。
例えば、「1ヵ月あたりたったの3万円」と言われると安いように錯覚してしまいそうですが、月額3万円を5年契約した場合、トータルで180万円。まったく安くありません。
それだけの費用があれば、運用や広告に費用を回すことも可能です。例えば、60万円でホームページを制作して、月々2万円(2万円×12ヵ月×5年=120万円)でサイトの運用をしていった方がよほどよい結果を出すことができるでしょう。
ビジネスや、それをとりまく環境は時代とともに変わっていきます。貴社の事業も何も変わらないということはないと思います。
また、インターネットや取り巻く環境も日進月歩で変化しています。例えば、ここ10年ほどの大きな変化として、わかりやすいものだけでも、スマートフォン対応の必須化、HTTPS(SSL)標準対応などが挙げられます。
ホームページはその時の環境にあわせて、また事業の最新の情報にあわせて、日常的に運用・メンテナンスを続ける必要があります。そうしないと、ユーザーの信頼も得ることができませんし、Googleからの評価も得られません。
細かい契約内容にも気をつけて
また、細かな部分では、月々の支払いの内訳としてサーバ代とドメイン代、サイトの修正費込み、などとなっていることが多いようです。しかし、 そもそも一般的な中小企業のサイトに必要なレンタルサーバは、直接サーバ会社と契約すれば月額1,000円前後で必要十分なスペックのものが使えます。ドメインも年間数千円程度です。
更新については、但し書きをよく読むと「レイアウト変更は含まない」など、実質のところは文字修正くらいしかできないこともよくありますので、見落とすと痛い目にあうかもしれません。十分気をつけましょう。
乗り換えたくなった時の落とし穴
独自の管理システム(CMS)を使用していたり、リース契約という形でそもそも支払いが終わっても自分のものにならない可能性があります。もし使用を続ける権利があったとしても、HTMLやCSSのソースコードが汚いなど、いい加減なコーディングがされていることも多々ありますので、それも乗換えの際やちょっとした改修を行ないたい場合などにネックになる可能性があります(ソースコードが汚いと解析に時間がかかり、コストが上がります)。
まとめ
一見安そうに見えるかもしれない格安ホームページ制作会社が、「思うほど安くない」理由をまとめてみました。実際に、他社で3年契約したにもかかわらず、気の毒なほど低品質なホームページしか納品されなかったといったご相談いただくこともあります。
本来、ホームページ制作を含めた広告宣伝費とは「投資」だと思います。初期投資が高い、とためらわれるのも理解できます。しかし、競合他社との差別化や集客、イメージアップなどホームページの可能性や効果を求めるのであれば、品質を重視している制作会社でオーダーメイドされることを強くおすすめします。
よろしければ、「後悔する前に!ホームページ制作会社の見分け方10選」もあわせてご一読ください。