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失敗しない!ホームページ制作会社の選び方
どのようなホームページ制作会社を選べばよいか、詳しい知識もないので心配!という方も多いと思います。
18年以上にわたり制作に携わってきた経験を踏まえ、Web制作会社の選び方のポイントをお伝えします。これから発注しようとお考えの方の、ご参考になれば幸いです。
さて、Web制作会社といっても、大規模法人から個人事業(SOHO/フリーランス)まで形態はさまざまです。“株式会社”だから実力があり信頼できて、個人事業だから質が低くて信頼できないということも全くありません。実際にさまざまな制作会社やフリーランスの方と仕事をしましたが、そうでした。
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格安業者は要注意
Web制作(ホームページ制作)というのは基本的に完全オーダーメイドですので、ある程度の相場はあっても基準といえるものはありません。例えるなら一軒家を建てるのに近いでしょうか。面積、間取り、内装、外装など金額が上下する要素はいくらでもあります。面積が同じでも、どんな風にしたいかで金額は全く違うものになります。
しかし、10ページ10万円!などというような、料金があまりに低いところは避けるべきでしょう。ホームページ制作は本来、専門的な知識と相応の手間、コストがかかるものです。格安を謳うところは、他の顧客と画一的なものを作っていたり、最低限の手間だけで雑なものが制作されていたり、趣味の延長での小遣い稼ぎだったりすることがほとんどです。
また、初期費用0円!や初期費用5万円+月額○円というようなサービスはリースのようにランニングで回収する仕組みで、トラブルの元といえます。実際、質も低い上に劣悪なサポートなど被害に遭われている方を目にしています。目先の一時的な制作費にとらわれて、格安業者に依頼するのは本当におすすめできません。
「サーバー費用込み」「レンタルサーバーもセット」といったものも要注意です。ある程度の会社規模があり、システムやサーバーに強い制作会社でもない限り、多くは安いレンタルサーバーの切り売り(再販)をしているだけです。性能や機能も乏しい上に割高な料金で、何よりも「この制作会社に頼んで失敗した」と思った時にあれこれ理由をつけられて抜け出せず、泣き寝入りすることになるかもしれません。
ドメインの管理について確認しておく
ドメインをどちらで管理するか、要するにどちらの名義にするかという点も予め確認しておきましょう。ドメインの権利を握られてしまうと、あれこれと口実をつけられて別の制作会社に乗り換えできなかったり、ひどい場合には自社で使っていたドメインを、別のクライアントのドメインとして使われることもあるようです。したがって、ドメインは自社でログインIDやパスワードなどが管理できることが望ましいです。
少し考えてみてください。まともに作れば最短でも数週間、少しボリュームがあれば数ヶ月かかるものが、なぜ5万、10万でできるのでしょうか?それでは人ひとりの給料も払えないことは明白です。
安いには理由がある、ということですね。コラム Vol.11の中で、思うほど安くない格安ホームページ制作、そのカラクリをご紹介しています。
こんな制作会社も要注意
「〇〇市 ホームページ制作」などのキーワードでヒットする、内容が同じページを複数作成している会社にはご注意ください。
例えば、「〇〇市 ホームページ制作」、「△△市 ホームページ制作」、「××市 ホームページ制作」といったように、近隣の地名でGoogle検索してみてください。ページを開いてみると、ほぼ地名だけを変えたようなページがヒットする業者がいくつか出てくると思います。このようなページは「ドアウェイページ」といい、Googleではスパム判定されるはずの、いわゆるブラックSEOといわれるものです。
GoogleがNGと公言していることを堂々と行なうような業者は、あなたにも同じことをすすめてくることが考えられます。あるいは、他のモラルに欠ける提案をしてくるかもしれません。一時的にはよい結果が出る可能性もありますが、スパムと判定されると検索結果に表示されないといったペナルティが課せられます(検索結果からの削除、検索順位の大幅な下落など)。
また、SEOでサイトの掲載順位を保証したりする業者も存在していますが、Googleはこのような業者に注意するようにも呼びかけています。
SEOについて質問してみてください
Google検索でよりよい結果を出すための一連の取り組みのことをSEO(検索エンジン最適化)といいますが、その中で“meta keywords(メタキーワード)”というものがあります。10年ほど前までは効果があるとされていましたが、2009年にGoogleは検索順位に“meta keywords”は影響しないと公表しています。
制作会社を選ぶ時、あるいは検索順位を改善しませんかとSEOに関する営業があった時、メタキーワードについて質問してみるのもよいかもしれません。メタキーワードの設定は大切ですよ、と勧めてくるような業者は、掲載順位を保証したりするような業者と同様に、くれぐれも選ばないようにしましょう。
大手だから優れているわけではない
ある程度の企業規模の制作会社であれば安心、といえるかというと、そうでもないのが難しいところです。はじめにもお伝えしましたが、企業規模の大小で決まるわけではありません。
事実、私どもは小さな事務所ですが、
- 「大手制作会社と契約しているが、対応が不満」
- 「高いだけで言ったことしかしてくれない」
といったご相談をよくいただきます。そして、私どもとご契約いただき、制作や運用をはじめるととても喜んでいただけます。
組織の規模が大きくなると、確かにチーム体制で取り組めるのでよい結果を生むこともできます。反面、関わる人数が多くなり人件費が嵩むので、必然的に費用は高くなります。また、窓口担当者のスキルが低いと伝書バトのような役目になってしまい伝言ゲームのようにもなりがちです。つまり、質の決定要因は制作会社の規模ではなく、制作会社の考え方や担当者のスキル・意識レベルなどによるものが大きいということです。
ただ1点、補足をしておくと、個人・フリーランスや小規模な制作会社の場合、(内容にもよりますが)数百ページ以上あるような大規模サイトの制作には向いていないことが多いです。人数が少ない分、人海戦術というキャパがないからです。
制作実績を見る
制作会社として仕事を受注しているからには、必ず制作実績があるはずです。どのような品質か、しっかりと見極める必要があります。しかし、ただなんとなく眺めればよいわけではありません。
なかなか難しいことだとは思いますが、次の3点が比較的わかりやすいチェックポイントになるでしょう。
- 直感的に見てよいデザインをしているか
- 同じようなサイトばかり制作していないか
- ご自身の会社のイメージに近い実績があるか
直感的にみて良いデザインをしているか
デザインは信頼できるかどうかの判断材料になったり、良い印象を与えたりと大切な役割を担っています。有名な企業や商品でもない限り、印象で会社や商品が選ばれてしまうことも多々あります。
想像してみてください。例えばオンラインショッピングをするとき、ゴチャゴチャしたデザインだったり、どこに何が掲載されているか分からなかったりしたら信頼できるでしょうか。また、そのようなサイトでクレジットカード情報を入力する気持ちになれるでしょうか。
レストランや病院、物販などBtoC(対一般ユーザー向け)の場合は、BtoB(対企業向け)に比べてさらに重要性が高いといえるでしょう。
ただ、ここで注意したいのは、(少し難しいかもしれませんが)好みで選ばないこと。自社のサイト制作を依頼できそうな品質であるか、分かりやすいか、使いやすいか、といった視点を意識するとよいでしょう。
同じようなサイトばかり制作してしていないか
色や写真が違ったりするので一見同じように見えないこともありますが、同じようなサイトばかり制作しているところは要注意です。一社一社実現したいことは違うはずなのに、同じ型にはめて画一的に作っているからです。細かい要望に応えてくれない可能性が非常に高く、他社のホームページとほとんど同じようなものができあがる危険があります。
ご自身の会社のイメージに近い実績があるか
なぜ、ご自身の会社のイメージに近い実績があるかどうかを見るかというと、どこの制作会社もデザインの方向性(テイスト)に得意不得意があるからです。中には幅広く対応されているところも存在しますが、例えばナチュラル系のデザインを得意とする会社に、銀行や法律事務所のような堅い雰囲気をお願いしたらイマイチだった、ということが起こりうるわけです。
実績はホームページに掲載されていることが多いですので、確認してみてください。ただし、クライアントが大手代理店や大企業の場合は、守秘義務契約により公に出せないことがよくあります。代理店に選ばれる実力のある制作会社でも、そのような理由により一見実績が少ない場合もあります。
ですので、気になる制作会社などがあった場合には、お問い合わせフォームなどで「実績を見せてほしい」と連絡してみるとよいでしょう。
折り返しの対応を見る
制作会社の場合、制作進行中のやり取りの多くがメールになります。これまでの経験では、レスポンスが悪かったりメールの内容がいい加減な場合、比例するように制作の質もよくないことが多かったです。会社の思想や人となりが、そういう部分にも滲み出ているのかもしれません。
ただ、これは同時に逆の立場にも言えることです。制作会社を「外注」や「業者」というような意識で向き合えば、以心伝心、うまくいかないのは明らかです。制作する側も人ですので、悪い方向に作用するでしょう。Webサイト(ホームページ)にしても印刷物にしても、お互いが協力しあって作り上げるものです。「パートナー」として見る意識こそが、成功への近道といっても過言ではありません。
この他にもHTMLコードが標準規格に添って書かれているか、などある程度の知識があればチェックしておきたい点がありますが、ここでは割愛します。
最後になりましたが、ここでお伝えしたいのは、大切なご予算を無駄にしてほしくないということです。きちんとしたものを作らないと、意味がないのですから。