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コラム
Volume
23

Webサイトを運用する理由と円滑な運用方法

Webサイト(ホームページ)を作って満足していませんか?Webサイトは公開することや持つことがゴールではありません。
事業の継続にあわせて、運用・運営を行っていかないことには成果を出していくことはできません。運用の重要性と、どのようにすればよいかをご紹介します。

とりあえずWebサイトを作ってそのままにしている、ということはないでしょうか。
もしかすると、この記事に興味をお持ちということは、成果が出せずに困っているのではないでしょうか。

特に小規模事業者の場合は、予算の都合や人員の制約も多く、作りっぱなしになりがちです。しかし、よく考えてみてください。会社の事業は日々変化しますし、売れているお店は陳列や配置に日々工夫を凝らしています。Webサイトを作ったままにしておくということは、こういった努力をせずに放置しているのと同じようなものといえます。

なぜ運用・運営が大切なのか

運用・運営(以下、運用といいます)が大切な理由のひとつは、あくまで仮説を元に企画や制作をするからです。もちろん、アクセス解析などのデータが取れる場合には使いますが、データだけでは解らないこともたくさんあります

例えば、あるページで離脱率(サイトを訪問したユーザーが、そのページで離脱した割合)が高かったとします。離脱率の高さはアクセス解析などのデータでわかりますが、「なぜ」なのかは原則として仮説です。文章がよくなかったのか、ボタンの配置が悪かったのか、ボタンが見落とされたのか…といったように、原因を探りながら何を改善すればよいのか「仮説」を立て、施策を行なっていくとイメージしていただくといいでしょう。

施策を実施したら、次はその施策がどのくらい効果的であったか検証を行ないます。十分な効果が得られていれば次の施策へ、効果的でなかった場合には改めてどのような対策を行なっていくのかを計画します。

このように改善のサイクル、いわゆるPDCAサイクルを回し続けることで、Webサイトを育てていくことが大切です。
公開やリニューアルをゴールに設定しがちですが、すぐに成果が出るような魔法のツールはありません。Webサイトは日々の運用により時間をかけて、少しずつ成果を達成していくツールであることを心に刻んでおきましょう。

スムーズに運用するには

当所でも運用のための「更新プラン」を用意しており、制作をご依頼いただいた場合には必ずご案内するようにしています。それほど大切なものだと考えているからです。

ただ、「社内で更新するので…」といった具合に更新プランにお申し込みいただけない場合や、かといってスポットでのご依頼の意思も感じられない場合は、(一部の例外を除いて)Webサイトが更新されることはありません。
Web制作を考える場合は、制作のための予算だけでなく、以下の点についても充分に考慮しておきましょう。

運用体制・ウェブ担当者

サイトの立ち上げ(またはリニューアル)にあたっては、その目的を理解し、課題の抽出や社内での調整役としてウェブ担当者を決めておきましょう

とはいえ、中小企業ではなかなか専任することは難しく、実際には広報や営業の方が兼任していることも多いでしょう。中には、社長本人や社長直属の担当者の場合もありますが、いずれにしても「ウェブ担当者」には一定の時間を当該業務に充てられることと、ある程度の決定権があることが好ましいといえます

また、WordPressなどのCMS(更新システム)を導入して社内で更新したり、ECサイトを運用する場合には、ITに関する理解が一定以上ある人材のほうが安心です。
制作会社にアウトソーシングする場合は、調整役としてもウェブ担当者がいるとスムーズでしょう。

現実に、ウェブ担当者がいない企業できちんと運用ができているというのはほとんど存在しないのではないでしょうか。成果を出している企業は、ウェブ担当者がいるか、社長のWebリテラシーが高いかのどちらか、というのが私の体感です。

社内で更新する/しない

実際の現場では、中小企業の場合は制作段階で社長自ら舵取りをされることも少なくありません。制作の打ち合わせの時点ではとても積極的で、「お知らせ」や「コラム」の機能を盛り込み、更新していきたいとのご要望されることもよくあります。
ただ残念なことに、Webサイトを公開してから記事が書かれることがなかったり、ただただ夏季休業と年末年始休業のお知らせだけがつらなることも…。

そうならないためにも、どのようなことをしていきたいか、社内で更新を行なうことは現実的か、といった点についてもしっかり考えておきましょう。この点が曖昧なままでは、運用を軌道に乗せるのは難しいように思います。できれば、サイト制作の段階で、どのような運用を行っていくことが自社にとって現実的かを決めておくことができればベストです。
社内のリソースにキャパがない、別の業務のあい間にしか時間が取れない、というような場合は、運用を制作会社に任せることも視野に入れるとよいでしょう

なお、運用を制作会社に任せる場合でも、元となる記事は(事業をいちばん理解している)自社で用意するほうが、内容の濃い記事にしやすいです。記事は書けるけど編集するほど時間がない、という場合には、記事をWordなどで書いて制作会社にリライト(編集)を任せるのがおすすめです。

そもそも記事を書く時間・人的リソースがない場合には、現時点では更新機能をあきらめる決断をしてもいいかもしれません。更新機能をつけない場合は、初期費用(制作費)が低くなるメリットもあります。全然更新されないコラムやお知らせのページがあるくらいなら、いっそのこと無くしてしまった方が、ブランドイメージの低下も防げることと思います。

運用のための予算取り

意外に多いのが、Web制作の予算は用意しているものの、運用予算は考えていなかった、というものです。
個人事業のように予算取りがどうしても難しい場合や、融資に必要なのでとりあえず…といった場合を除いては、運用予算についても考慮しておきましょう。特に、Webで集客したり売上げを伸ばすなど、ビジネスとして本気で成果を出していきたいという場合には、運用予算は必須です。

また、例え社内で運用する場合でも、すべての施策を自社で行うことは非常に難易度が高く、必要に応じて制作会社との連携をするのが現実的です。その際、何か施策を行なう度に見積る形でもよいですが、「毎月●万円」といったように予算を決めてしまえば、管理しやすいかもしれません。

まとめ

Webサイトで成果を出していくためには、構築時のサイト制作の質だけでなく、いかに運用して育てていくかが要です。運用なくして成果を出していくということは、どんな大企業であっても不可能です。むしろ、企業の大小にかかわらず、リテラシーの高い企業ほどWebサイトへの投資を続けています。

運用しなければ、運用に予算を充てている競合他社との差は開くばかりです。今、運用ができていなくても遅くはありません。予算の範囲内で少しずつでも構いません。一日も早く行動に移しましょう!

シンカーデザインは、Webサイトの制作はもちろん、制作〜運用までトータルでサポートすることに力を入れています。便利でおトクな「定額更新プラン」もご用意していますので、どうぞお気軽にご相談ください。