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コラム
Volume
07

ホームページ制作の見積を複数とったら、金額が全然違うのはなぜ?

ホームページ制作(Web制作)の見積を複数とったら金額が全然違う!と困惑される方もいらっしゃると思います。
ホームページの制作料金の相場はあるのか、そもそも金額の計算方法や見積書の確認項目について、ポイントをまとめます。

ホームページ制作料金に相場はあるの?

答えから申し上げますと、ある程度の「価格の傾向」はあると思いますが、相場というものはないと言ってよいと思います
ホームページ制作の料金は、大半を「人件費」と「技術料」が占めています。一般的に、(見積書にそのような記載があるかないかは別として)「工数」や「人日」といった考え方をされることが多いです。計算方法としては、以下のようなイメージです。

単価(人件費・技術料) × 工数(時間)= 制作費用

また、会社概要のホームページ(Webサイト)を作るといっても、依頼者のかかえる課題や目的、ページ数などの内容、品質、機能、動きの有無などによって、費用は大きく変動します

家を建てる場合に似ていますね。A社に依頼しても、建坪や間取り、内装、外装、設備などによってピンキリです。B社、C社に依頼するとまたそれぞれ異なった見積書が出てくるはずです。会社によって品質も異なりますし、およそ品質によって価格も変わります。

あと、「仕入れなどの経費がなくていいですね」と誤解されることもあるのですが、ハイスペックなパソコンの購入費やプロ用ソフトウェアの購入費、プロ向けフォント(書体)の購入費、など表からはほとんど見えませんが、イメージされている以上に結構な経費がかかっています。

思ったより高いんですけど!

では、次のように考えてみてはいかがでしょう。
仮に、あなたの発注したホームページの制作には、2人で1ヵ月の工数がかかるとします。1人あたり25万円の給料としましょう。

25万円 × 2名 =50万円

ただし、給料の他に社会保険料、賞与、その他の諸経費が必要になります。会社員で考えるとわかりやすいですが、会社の負担としては、一般的に給与の約2倍の額が必要といわれています。
では、それをもう一度、上の式にあてはめてみましょう。

50万円 × 2名 =100万円(+諸経費)

加えて、利益がないと会社を存続することはできませんので、実際には利益分を上乗せしなければいけません。利益の取り方はそれぞれの会社によると思いますが、(高いか安いかは別として)わかりやすく仮に制作費の10%分を利益にするとします。

50万円 × 2名 × 利益率10% =110万円(+諸経費)

もちろん、給与はベテランか新人かにもよって異なります。ベテランは質も高く仕事も早い。当然ながら新人は質が低く仕事も遅いです。ベテラン社員で月給が25万円ということはありえませんので、よい品質の制作会社はもっと費用がかかります。例えば以下のような感じです。

80万円 × 2名 × 利益率10% =176万円(+諸経費)

技術や品質が高いということは、それだけ費用もかかってきます。
見た目ではあまり違いがわからなくても、プロから見れば安い制作会社の納品物はほとんどすべての場合、“それなり”です。セキュリティ、Googleからの評価、表示速度など見えない部分にも違いが出てきます。その差が、のちのち使い勝手やユーザー体験、検索結果の表示順位などに深くかかわってきます

見積書からわかること・わからないこと

見積書の内訳をチェック!

見積書には、内訳が色々書いてあると思います。
金額が大きく変わる部分(良い・悪いではありません)ですので、内訳が書いてない場合は質問し、必ず比較するようにしてください。

  • 前提となるページ数・ボリューム
  • 何ページ分のデザインを出してくれるのか
  • デザインはパソコン版のみかどうか
    (スマホ版のデザインがあるかどうか)
  • 自分で更新できるシステムが入るかどうか

そもそも内訳がほとんどないような見積書を出してくる制作会社は、おすすめできません。他を探しましょう。

見積書に書かれない部分

制作会社から案内があるとは思うのですが、以下のような質問をしてみると、よいかもしれません。

  • 更新画面は使いやすいかどうか・何か工夫をしているか
  • セキュリティ対策はしっかりしているか
  • 検索エンジン対策(SEO)が含まれるか・およびその内容
  • タブレットサイズの表示対応をするかどうか
  • この仕事の実務年数は

よくあるのが、WordPressを入れただけで「簡単に全ページ更新できる」とするタイプです。ブログのように、特殊なレイアウトをしないページでは問題ないのですが、製品情報など、複雑なレイアウトを更新するのは大変難しいです。
また、編集画面での表示が実際のページと近くなるようにしたり、余計なメニューが表示されないようにしたり等、よい制作会社は「編集しやすさ」にも配慮しています。普段の業務効率にも関わってくる部分ですので、ぜひ質問してみてください。

過去の実績

業者を決める際に、過去の実績も必ず確認したいところです。デザイン力に差がないかどうか、ほぼ同じデザインで、内容だけを変えたホームページを量産していないかどうか(そのデザインがどうしても気に入ったということでしたら止めませんが…)を確認しましょう。

また、運良く同じ業界の実績がある場合、自分が「頼みたい」「使いやすい」と思うのはどちらの実績なのか、検索したときに先に表示されるのはどちらかを確認していただくのもひとつの手段だと思います(地域性もあるので絶対的なものではありませんが、参考として)。

内容に対してのコストを比較する

考慮していただきたいのが、内容に対してのコストパフォーマンスです。
お客様の予算が潤沢だからとぼったくる制作会社や、無駄なアニメーション、年に1回しか更新しないような箇所の編集機能など、本来不要な内容の提案をしてくる会社もあります。逆に、良心価格な制作会社やコストを抑えながら効果的な内容を提案してくれる会社もあります。

私どもシンカーデザインは、2名体制です。2人とも19年以上の実務経験を積み上げています。
大手を含め何社も制作会社を利用されてきたようなお客様からは、
「安い!」
「コストパフォーマンスがよく、シンカーデザインさんに出会えてラッキーだった」
「費用対効果は抜群だったといえます」
といった言葉をいただいています。
時には、「きちんと請求してくださいね(予想より安すぎる)」と心配していただくことさえあるくらいです

ところが、はじめて制作会社を利用されるような方には、「高い」、「結構かかるんですね…(予算オーバー)」といったお声をいただきます。

ご予算の都合もあるとは思いますが、何となくでも費用感を掴んでいただいてるかどうか、ホームページの重要性や質の大切さを理解されているかどうか、あるいは「○○万円もあればできるだろう」というような思い込み、といったことがこの言葉の差になっているのではないかと思います。

ピカソのエピソード

最後に、フランスの偉大な画家、パブロ・ピカソの有名なエピソードをご紹介します。

ある日、ピカソがマーケットを歩いていると、1人の女性が彼を呼び止めました。
彼女はピカソの大ファンだといい、用意した紙に「絵を書いてくれないか?」と尋ねます。

その言葉に微笑みを浮かべ、ピカソは小さくも美しい絵を描き始めました。
そして・・・「この絵の値段は100万ドルです」と女性に言い、絵を渡しました。

それを聞いて驚いた女性は「この小さな絵を描くのに、あなたは『たった30秒』しかかかっていないではありませんか」と言葉を返します。

その言葉を聞いたピカソは苦笑しながら「お嬢さん、それは違う。30年と30秒だ」と言います。

exciteニュースより引用

理解されにくいことが多いですが、デザイナーも、プログラマーも、何年も何年も経験を積み重ねてきて今があります。はじめは丸1日かかっていた仕事を、もっとよい品質で半日でできるようになったのです。