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コラム
Volume
22

ECサイトのメール接客で見込客を取り込むには

ネットショップでのメール対応で機会損失していませんか?
お問い合わせに対して何となく返信しているだけでは、お客様が競合店に流れていってしまいかねません。
メール接客で気をつけたい点や、なぜメール接客が大切なのかを簡単にご紹介します。

メール接客で気をつけたい4つのこと

ECサイトを運営中、またはこれからはじめようという方の中で、もしメール接客(お問い合わせ対応)について深く考えたことがない、という場合は、この機会に改めて見直してみましょう。
まずは気をつけたい4つのキホンから見ていきます。

1. メールへの迅速な対応

ビジネスではメールは24時間以内に返信するのがマナー、などと言われていますが、ECサイトではよりタイムリーに、より迅速に対応することが求められます

最近では、LINEなどチャットアプリの普及や、ネットサービスのチャットサポートなどにより、以前と比較して返信までの時間が短くなっています。そのため、ユーザーは年々返信の早さを求める傾向にあると言われています。

多くの場合、他社でも同一商品や類似品、代用品がありますので、ユーザーの「買いたい」という意思がなくなるまでのタイミングが、タイムリミットだといえるでしょう。対応が遅くなればなるほど、お客様が離れていく確率が高くなると認識していただくとよいと思います。

2. 丁寧なメール対応

メールを送る際には、丁寧に書くことを心がけましょう。
実店舗でお客様にそれぞれに応じて接客を行なうように、相手は見えなくても(むしろ見えないからこそ)、お客様がどのような返信を求められているのかを想像しながら書くとよいのではないでしょうか。

少なくとも、実店舗でやってはいけない対応は、ECでもやってはいけません。実店舗で行なうのと同じように、マニュアル的な対応や素っ気ない文面を避け、その人そのひとにあわせてメールを書きましょう。

なお、担当者による対応の質の差を軽減するために、テンプレートを使用すること自体は問題ありません。むしろ、定型的な内容などはテンプレート化することで返信までにかかる時間を節約することにもつながります。ただし、その場合も問い合わせ内容にあわせて文面を調整するなど、工夫することが前提といえるでしょう。

3. 漏れをなくす

丁寧な文面はもちろんですが、内容にも充分な注意を払いましょう。
よくある例は、3つの点について確認(問い合わせ)が来ているにも関わらず、返信された回答には2点しかない(1点漏れている)、といったものです。

これでは、いくら迅速で丁寧な返信をしていても台無しです。ユーザーの求める答えが満たされない限り、イライラされたり印象が悪くなることはあっても、購入につながることは考にくいです。

内容に漏れがないかしっかりと確認し、送信ボタンを押す前にもう一度読み返す癖をつけておきましょう。メールの返信自体が漏れるのは致命的といってよいでしょう。

4. 引継ぐ際に伝言ゲームのようにならないようにする

メール接客の担当者のお休みや、担当者ではわからないような商品の細かな仕様に関する質問など、別の担当者に引継ぐこともあるでしょう。

その場合にはユーザーからの問い合わせ内容を漏れなく共有し、伝言ゲームのような結果にならないように気をつけましょう。ちぐはぐな回答では、「このショップで購入して大丈夫なのか」と思われても仕方ありません。

また、引き継ぎにどうしても時間がかかりそうな場合は、「○○の理由によりお調べいたしますので、○日頃までに担当者よりご連絡いたします」といったように予め連絡しておくこと、ユーザーの心理を和らげられるかもしれません。
接客担当者に対応しきれなかった内容は、今後の接客品質向上のためにも情報の蓄積を行なっておきましょう

接客が大切な理由

接客の重要性について触れてきましたが、その理由は、顧客獲得の「1:5の法則」が関係しています。

新規顧客を獲得するには、既存顧客の5倍のコストがかかると言われており、これを「1:5の法則」といいます。例えば、新規顧客を獲得するために平均10,000円かかっているとすると、既存顧客をリピーターに育てるにはその5分の1、つまり2,000円で済むといわれています。

それほどまでに難しい顧客獲得。せっかく興味を持ってくれた見込客を、メール接客で失ってしまうのは大きな損失です。
可能であれば、メール接客の重要性を共有し、問い合わせ内容の管理ができるような社内の体制を構築できるとよいでしょう。

まとめ

メールでの問い合わせ対応くらい簡単なこと、と思えるかもしれませんが、意外とできていない会社が多いように感じています。私自身も、控えめにカウントしても数千通ほどはお客様とメールのやり取りをしてきましたが、いまだにメールは難しいです。

メールは対面とは異なり顔が見えず、電話のように声のトーンもありません。ちょっとした言い回しひとつで、意図せず相手を不快な気分にさせてしまうこともありえます。そうなれば、ブランドイメージの棄損にもつながります。

メールは文面通りでしか受けとることができないということを留意しておく必要があります。返信の遅さ、内容の漏れ、素っ気ない文面などがないように、自分も気をつけたいと思います。